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CES Innovation Awards / 2024—2026

更新日:2026年9月22日

記録から、
身体を理解する技術へ

From Tracking to
Body Intelligence

CES Innovation Awards 2024–2026から、公式カテゴリ名にFITNESS / SPORTS & FITNESSを含む25製品を抽出。製品説明に現れる技術と課題を追うと、フィットネステックの重心が「どれだけ動いたか」の記録から、「身体がどう動き、どんな負荷を受けているか」の理解へ移りつつある姿が見えてきます。

01 / 5つのテーマ

何が増えているのか。

25製品の公式説明文を、AI・機械学習、リアルタイム、コーチング・個別化、身体力学、リスク・リカバリーの5テーマで分類しました。年ごとの製品数が異なるため、下図は件数ではなく各年の対象製品に占める割合です。

2024→2026で見ると、5テーマすべてが2024年より高い水準にあります。 特に身体力学、AI・機械学習、リスク・リカバリーの伸びが大きく、身体をより詳しく捉え、安全性まで扱う方向が目立ちます。一方、コーチング・個別化は2025年がピーク、リアルタイムも2025→2026ではやや低下しており、すべてが連続的な右肩上がりではありません。

対象:公式カテゴリ名にFITNESSまたはSPORTS & FITNESSを含む25製品(2024年8製品、2025年11製品、2026年6製品)。同一の製品詳細URLは1件として集計。比率は各年の対象製品数を分母としています。

02 / 身体力学

身体の動き・負荷まで測る製品が増えている。

25% → 55% → 83%身体力学 / 2024 → 2026

姿勢、歩容、関節、筋肉、圧力、バランス、協調性、スイングなどに関する語を含む製品は、2024年の2/8から2026年の5/6へ増えました。計測対象が「何歩歩いたか」「何分運動したか」だけでなく、身体がどう動き、どこに負荷がかかっているかへ広がっています。

2024 / 姿勢

InBody — LB Trainer ↗

撮影後の映像とディープラーニングを使い、関節の動きや角度から姿勢評価を簡素化。フィットネステックが身体の「形」や「動き」を扱う初期例の一つです。

2026 / 歩容・バランス

ORPHE — ORPHE INSOLE ↗

6つの圧力センサーと6軸モーションユニットから、歩容、荷重分布、バランスを解析。ラボ級のバイオメカニクス計測を日常環境へ持ち込もうとしています。

2026 / 動作品質

SHOSABI — Assessment ↗

3Dモーションセンシングから協調性、安定性、左右バランスを評価。「筋肉量」ではなく、動作品質そのものを評価対象にしています。

03 / リアルタイム

計測したデータを、その場で運動に返す。

0% → 55% → 50%リアルタイム / 2024 → 2026

「real-time」「continuous」「instantly」などの語は2024年には該当ゼロでしたが、2025年には6/11、2026年には3/6に現れました。増加が続いているとは言えませんが、「運動後にデータを見る」だけでなく、運動中に計測し、その場で判断やフィードバックへつなぐ体験が明確に現れています。

2025 / グリップ・スイング

SGLAB — G-Grip ↗

クラブ内のセンサーでグリップ圧とスイングをリアルタイム解析し、即時のコーチ型フィードバックを返します。

2025 / 毎秒100回解析

Humanics — SEGYM ↗

身体データを毎秒100回解析し、個別の運動推奨とリアルタイムコーチングをミラー上に表示。センシングと指導が一つのループになっています。

2025 / 熱負荷

CORE — CORE 2 ↗

アスリートの熱負荷を非侵襲でモニタリングし、リアルタイムの体温調節管理に活用。パフォーマンス指標だけでなく身体の状態を運動中に扱います。

04 / リスク・リカバリー

「もっと強く」と「壊さずに強く」が近づいている。

13% → 45% → 67%リスク・リカバリー / 2024 → 2026

怪我、過負荷、熱負荷、リハビリ、回復、関節ストレスなどを示す語を含む製品は、2024年の1/8から2026年の4/6へ増えました。パフォーマンスを高めるためのデータと、身体を守るためのデータが別物ではなくなりつつあります。

2025 / 怪我予防

wearM.AI — Beyond 01 ↗

筋・関節負荷の推定をフォーム、回復、怪我予防の個別アドバイスにつなげます。「強くなる」と「怪我を避ける」を同じセンシングから扱います。

2026 / 過負荷

Garmin — Forerunner 970 ↗

ランニングエコノミー(Running Economy)やステップスピードロス(Step Speed Loss)に加え、ランニングトレランス(Running Tolerance)で、走行が身体へ与える実際の影響を捉え、過負荷を避けるためのトレーニング調整につなげます。

2026 / 身体支援

Dnsys — Z1 Dual Joint ↗

AI・センサー・モーターが動きと負荷へ継続的に適応し、膝へのストレスを物理的に軽減。計測・判断だけでなく、身体への介入まで踏み込んでいます。

分析から見えた3つの変化

01

回数を記録するだけでなく、動きを解釈する。

姿勢、歩容、関節、筋・関節負荷、バランスなど、身体が「どう動いたか」まで計測対象が広がっています。

02

計測したデータを、リアルタイムに返す。

運動後に振り返るだけではなく、運動中に計測し、その場のフィードバックやコーチングへつなげる製品が現れています。

03

けが予防や負荷管理に介入する。

過負荷、熱負荷、回復、関節ストレスなどを扱い、トレーニング調整や身体への支援まで踏み込む例も出ています。

05 / 実験的プロダクト

BURPEE 4

今回の分析で見えた方向性を、自分たちのプロダクトでも小さく試しています。BURPEE 4は、過去の自分をリアルタイムのペーサーにする4分間のバーピーHIITです。アプリは日本語・英語の両方に対応しています。

BURPEE 4を試す ↗
運動中は現在の自分と過去のペースを比較し、遅れるとその場でペースアップを促します。
BURPEE 4の結果画面。48 repsと各セットの回数、YOU・BEST・LASTのレップタイムラインを表示。
終了後は各セットのレップ時刻を保存。次回はこの履歴がリアルタイムのペーサーになります。

今回の分析の3つの観点で見ると

01

動きを解釈する — 実装済み

スマートフォンのカメラ映像からバーピーの動作を認識し、回数を自動で判定します。数字を手入力するのではなく、身体の動きそのものを記録へ変換します。

02

リアルタイムに返す — 実装済み

前回またはベスト記録のレップ時刻をペーサーとして再生し、現在の回数とリアルタイムに比較します。過去に保存したデータを、次の運動中の行動へ直接返します。

03

けが予防・負荷管理への介入 — 今後の課題

現在のBURPEE 4は「追い込む」ためのペーサーです。疲労による動作の崩れや負荷の蓄積まで捉え、必要ならペースを抑える方向にもフィードバックできれば、今回の分析で見えた3つ目の変化までつながります。

METHOD / SOURCES

データと計算方法

CES Innovation Awards 2024–2026の公式製品説明から、公式カテゴリ名にFITNESS / SPORTS & FITNESSを含む25製品を抽出。5テーマのキーワードが説明文に含まれるかを製品単位で判定し、各年の対象製品に占める割合を算出しました。

分析方法・キーワード・参照元の詳細を見る

データ

対象は2024年8製品、2025年11製品、2026年6製品の計25製品。同一の製品詳細URLは1件として扱いました。カテゴリ体系は年度間で変化するため、製品数自体は市場規模の比較には使っていません。

計算

各テーマで、キーワードが1つ以上含まれる製品を1、含まれない製品を0として判定。各年の構成比は「該当製品数 ÷ その年の対象製品数 × 100」で算出しました。検索は大文字小文字を区別しません。

参照元

一次情報はConsumer Technology Association(CTA)が公開するCES Innovation Awards公式ページ。2024〜2026年の各製品ページと本文中の公式説明を参照しています。参照時期:2026年9月。

AI・機械学習

AI AI, AI. AI- A.I machine learning machine-learning deep learning AI-powered AI technology AI-driving AI feedback AI algorithms

リアルタイム

real-time real time instantly instant continuous continuously 100 times per second

コーチング・個別化

personalized personalised coach coaching recommendation recommendations recommended feedback training program training programs digital coach

身体力学

biomechan gait posture motion movement joint muscle pressure balance coordination swing weight distribution body shape running economy step speed loss

リスク・リカバリー

injur overload hazard joint stress thermal load rehabilitat recovery atrophy sarcopenia safe workouts

読み方の注意

2025年はFITNESSとSPORTS & FITNESSの両カテゴリが存在し、カテゴリ体系も年度間で変化しています。そのため本記事は、25製品の中でどの技術・課題が目立つようになったかを記述的に見るもので、市場全体のシェアや成長率を推定するものではありません。キーワード方式だけでは文脈を完全に捉えられないため、主要な解釈は個別製品の説明文でも確認しています。