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CEATEC 2026 / Exhibitor Category Analysis

更新日:2026年9月21日

AIが多い。
でも、それだけではない。

CEATEC 2026の出展者データ390件、96製品カテゴリを集計し、カテゴリ数・共起数・期待共起数・Liftから展示構造を読み解いた。表面上はAIとDXが圧倒的だが、カテゴリ同士の「期待以上の結びつき」を見ると、別の中心が見えてくる。

01 / THE OBVIOUS LAYER

まず見えるのは、AIとDX。

390分析対象の出展者レコード
96製品カテゴリ
172AI
143DX

カテゴリ件数ではAI(172)が最大で、DX(143)が続く。次いでIoT(73)、ソリューション・サービス(69)、アプリケーション/ソフトウェア(68)。ここまでは、2026年のテクノロジー展示会として驚きは少ない。

AI
172
DX
143
IoT
73
ソリューション・サービス
69
アプリケーション/ソフトウェア
68
科学技術/先端技術/要素技術/研究発表
62
スマートシティ
59
公共インフラ・サービス
58
モビリティ
54
センサ
50
自治体/地域産業
45
情報通信機器/モバイル/ウェアラブル
44
医療・ヘルスケア
43
産業用ロボット
42
コンサルティング・サービス
42
デジタルツイン
41
産学/知財/人材
39
環境・エネルギー
38
半導体デバイス
37
没入技術/VR/AR
37
件数だけでは、「結びつきの強さ」は判断できない。

たとえばAIは172社、DXは143社と、そもそも多くの出展者に付いている。大きなカテゴリ同士は、それだけで同じ会社に付く機会も増える。そこで次は、カテゴリの大きさをいったん差し引いて考える。

02 / BEYOND COUNTS

「多い」ではなく、「期待以上に一緒にいる」を見る。

ここでは、まず「2つのカテゴリに特別な関係がないとしたら、何社くらい両方に入るだろう?」という基準を置く。これを本記事では期待共起数と呼ぶ。たとえばAIは172社、DXは143社なので、390社の中で両者が無関係に付くと仮定すると、両方に入るのは約63.1社と見積もられる。

実際にはAIとDXの両方が付いた出展者は104社だった。104 ÷ 63.1 ≒ 1.65。この「実際の重なりが、無関係と仮定した場合の何倍か」をLift(リフト)と呼ぶ。Liftが1ならほぼ期待通り、2なら期待の約2倍一緒に現れている、という読み方だ。

つまりAI×DXは確かに強く結びついている。ただしTOP20カテゴリ全体で比べると、さらに「カテゴリの大きさだけでは説明しにくい」組み合わせが見つかる。

カテゴリの組み合わせ実共起期待Lift
スマートシティ × 公共インフラ・サービス368.84.10
モビリティ × 産業用ロボット205.83.44
科学技術/先端技術 × 産学/知財/人材216.23.39
スマートシティ × 環境・エネルギー195.73.31
スマートシティ × モビリティ268.23.18
ソリューション・サービス × アプリ/ソフトウェア3512.02.91
IoT × ソリューション・サービス3212.92.48
AI × DX10463.11.65
DX × アプリ/ソフトウェア4224.91.68
AI × IoT4832.21.49
CEATEC 2026のLift 3.0以上のカテゴリ関連ネットワーク。スマートシティ、モビリティ、産業用ロボット、デジタルツイン、先端技術・研究などが一つの連結した構造を形成している。
Lift 3.0以上の組み合わせから、孤立したペアを除き最大の連結成分を表示。線が太いほど、カテゴリ件数から期待される以上に一緒に現れやすい。図は関係の強さと構造を見やすくするための配置で、ノード間の距離自体に定量的な意味はない。

ここで重要なのは、AIが重要ではないということではない。むしろAIは広く行き渡り、単独では展示の違いを説明しにくくなっている可能性がある。対して、スマートシティと公共インフラ、環境・エネルギー、モビリティの結びつきは、個別技術より「社会システムとして実装する場所」にカテゴリが集まっていることを示す。

03 / A SECOND CENTER

CEATECのもう一つの中心は「社会実装の束」かもしれない。

最大Liftはスマートシティ×公共インフラ・サービスの4.10。59社と58社という中規模カテゴリ同士で、独立なら約8.8社の共起が期待されるところ、実際には36社が重なった。

さらにスマートシティは環境・エネルギー(Lift 3.31)、モビリティ(3.18)、IoT(2.72)とも強く結びつく。これは「スマートシティ」という看板の下に、センシング、移動、エネルギー、公共サービスが束として現れている構造と読める。

AIの多さより、「AIの接続先」に違いが出始めている。

AIは172社と最大だが、カテゴリの大きさを補正したLiftでは、上位を独占しているわけではない。これはAIの重要性が低いという意味ではない。むしろAIが幅広い分野に浸透したことで、「AIを使っているか」だけでは出展者の特徴を説明しにくくなり、「AIを何と組み合わせ、どの現場で使うのか」の方に違いが現れている、と読むことができる。

この見方は、個別展示の説明とも整合する。たとえばXGRIDSはLiDAR・カメラ・IMUを使って現実空間を3D化し、建設や設備点検へつなぐ。aiESGは人流・衛星・統計データをAIで統合し、社会的インパクトの評価に使う。技術名そのものより、現実の対象・運用・意思決定への接続が展示価値になっている。

04 / BRIDGES

デジタルツインは、AIと物理世界をつなぐ橋に見える。

デジタルツインは41社と、AIやDXほど大きなカテゴリではない。しかし41社中36社(87.8%)がAIにも分類され、30社(73.2%)がDXにも分類される。一方で、産業用ロボットとのLiftは3.17、VR/ARとは3.09、産学/知財/人材とは3.17だった。

この組み合わせは、デジタルツインが単なる可視化技術ではなく、AIで認識・予測し、ロボットなどの物理系へつなぎ、XRで人が理解するための中間層として使われている可能性を示す。

もちろん、カテゴリが一緒に付いているだけで技術的な因果関係までは証明できない。それでも、41社という比較的小さなカテゴリがAI、DX、ロボット、VR/ARと高い割合で重なることは、デジタルツインが複数技術をつなぐ位置にあることを示す手がかりになる。

05 / WHAT THE MAP SUGGESTS

件数だけでは見えない、CEATEC 2026の構造。

カテゴリ集計だけなら「AIとDXが多い」で終わる。共起数だけなら、大カテゴリ同士が上位になりやすい。期待共起数とLiftを重ねることで、母数の大きさでは説明しにくい結びつきを探せる。

今回の分析からは、①AI/DXの広範な浸透、②スマートシティを中心とするインフラ・モビリティ・エネルギーの強い束、③ソフトウェアとソリューションの実装志向、④デジタルツインを介したAIと物理世界の接続、という4つの読み筋が見えた。

単純な件数ではAIとDXが主役に見える。一方、カテゴリの大きさを補正すると、スマートシティを軸に公共インフラ、モビリティ、エネルギーがまとまって現れる構造や、デジタルツインがAIと物理世界の間に位置する構造が浮かぶ。CEATEC 2026は「どの技術が多いか」だけでなく、「複数の技術がどんな用途のために束になっているか」で見ると、違う姿が見えてくる。

METHOD / SOURCES

データと計算方法

CEATEC 2026公式出展者一覧から取得した390出展者レコードを対象に、公式ページ上の96製品カテゴリを複数ラベルとして集計した。現在の公式サイトでは共同出展者の展開や更新により総数表示が異なる場合があるため、本記事の390は「分析時点で保存したデータセットのレコード数」を意味する。

共起数は同一出展者に2カテゴリが付与された件数。期待共起数は N(A) × N(B) ÷ 390、Liftは 実共起数 ÷ 期待共起数。Lift 1.0は独立仮定と同程度、1.0超は期待より一緒に現れやすいことを示す。カテゴリ付与はCEATEC公式のカテゴリ情報に基づき、TANEMK LABS独自の意味分類ではない。

Primary source

CEATEC 2026 公式「出展者一覧」
https://www.ceatec.com/ja/exhibition/exhibitor-list.php

参照:CEATEC Association, 「CEATEC 2026 出展者一覧」。本記事は2026年9月に取得した公開情報を対象に分析した。公式ページのURLや内容は将来変更される可能性があるため、参照元の名称・運営主体・取得時期を明記している。

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